6
眺望景観・景観軸・景観拠点
■景観軸
河川沿いの空間や、都市的な幹線道路沿道など軸上に連続した景観 を指す。歩行者や自動車が移動中に体験する軸上の景観に配慮した整 備を行う。
□
眺望景観・景観軸・景観拠点とは
ゾーニングとは異なり、道路や河川沿いなど景観の軸になるものや、小峰城跡三重櫓やその周辺の石垣の 見え方などの眺望の範囲、あるいは史跡周辺の一帯など、景観形成上重要な、ある一定のまとまりをもった 地域を指す。景観的特徴や、整備方針から決定されるこの地域は、AからLまでのゾーニングに合わせて景観 の指針として示される。
■眺望景観
小峰城跡三重櫓を眺望対象とし、遠・近景としての視点場からの景 観の保全、改善を積極的に進めていく眺望範囲を指す。眺望を阻害す る建築物の高さ制限、壁面後退等の整備を行う。
6-1
6-5
6-3
6-4 6-4
■景観拠点
歴史的な史跡の残る地域や、特徴的な自然景観のまとまりなど景観 形成上の拠点を指す。広がりを持った一体的な整備を行う。
■景観軸
河川沿いの空間や、都市的な幹線道路沿道など軸上に連続した景観 を指す。歩行者や自動車が移動中に体験する軸上の景観に配慮した整 備を行う。
6-5 6-3
6-4
6-4
6-4 6-4
6-2
6-7
6-6
眺望景観・景観軸・景観拠点①
■眺望景観
6
−
1
「友月山からの小峰城跡石垣及び三重櫓への眺望景観の保全と形成」
友月山からは、白河市のシンボルである小峰城跡石垣及び三重 櫓を望むことができ、市民のみならず、来訪者にとっても重要な 眺望景観となっています。
友月山からの小峰城跡石垣や三重櫓への眺望景観を阻害する恐 れのある建築物や工作物等の高さや形態、色彩を歴史的街並みに 調和するよう誘導し、白河の歴史的な眺望景観の保全と形成を目 指します。
友月山からの小峰城跡石垣及び三重櫓への眺望
眺望景観の範囲図
■景観軸
6
−
2
「白河駅白坂線から望む小峰城跡三重櫓への沿道景観の保全と形成」
・視点場から小峰城跡への良好な眺望 を確保するために、建築物や工作物、 樹木等の高さを抑える
・建築物を小峰城跡への眺望に調和す る色彩、屋根形状へ誘導する ・視点場の整備や分かりやすいサイン
の設置など来訪者のアクセスに配慮 した整備を行う
■景観軸
6
−
2
「白河駅白坂線から望む小峰城跡三重櫓への沿道景観の保全と形成」
白河駅から南へと伸びる都市計画道路は、沿道に駅前の商業オ フィスビルをはじめとした近代的な街並みが見られると同時に、 白河市にとって重要なランドマークである小峰城跡三重櫓への景 観軸とも重なっています。
小峰城跡へ至る沿道景観を活かすために、沿道の建築物の位置 や道路標識、広告物などで眺望を阻害しないよう誘導し、小峰城 跡への眺望を楽しむことができる沿道景観の形成を目指します。
小峰城跡三重櫓へ至る沿道の風景
景観軸の範囲図
・建築物の高さは15mを超えないよう に努め、小峰城跡への眺望を確保す る
・小峰城跡への眺望を阻害しうる建築 物（特に駅前周辺）は良好な眺望の 形成に必要なセットバックを行う ・沿道建築物において、派手な色彩や
奇抜な形状は避け、小峰城跡への眺 望と調和する統一的な形態・意匠へ と誘導する
■景観軸
6
−
3
「旧奥州街道から小峰城跡藤門へ至る街路の沿道景観の保全と形成」
この景観軸は奥州街道から小峰城跡藤門に至る軸線であり、周 辺には裁判所や合同庁舎等の公共施設や住宅が立地しています。 沿道に立つ建築物の壁面意匠や位置、駐車場の道路側からの見 え方を、郭内の歴史的景観に調和するよう誘導し、旧奥州街道か ら小峰城跡藤門へ至る軸線の連続した沿道景観の形成を目指しま す。
小峰城跡藤門へ至る沿道の風景
景観軸の範囲図
■景観軸
6
−
4
「旧城下町の歴史的町割りを継承した山あての眺望景観の保全と形成」
・小峰城跡の現存する石垣への眺望を 阻害しないよう、建築物や工作物の 高さを抑える
・道路境界面に植栽を整備するなどし て、街道から藤門への連続性をもっ た街道景観を形成する
・旧郭内にふさわしい落ち着いた景観 となるように、壁面意匠や色彩、壁 面位置を誘導する
■景観軸
6
−
4
「旧城下町の歴史的町割りを継承した山あての眺望景観の保全と形成」
日本の城下町においては、主要街路の軸線を付近の目立つ山に 当てる「山あて」という独特の手法がとられています。白河市に おいても、金勝山・雷神山・風神山や那須連峰等に対して山あて がなされた、旧城下町特有の町割りが残っています。
街道沿いの建築物や広告物が山あての眺望の妨げにならないよ う誘導するとともに、植栽などの整備を行い、緑の連続する景観 を創出することにより、旧城下町特有の町割りを継承した、周辺 の山々への眺望景観の形成を目指します。
山あてのある沿道の風景
景観軸の範囲図
・壁面線を揃え、植栽の整備等によっ て連続性をもった山あての良好な景 観の形成
・沿道の建築物を金勝山・雷神山・風 神山等への眺望と調和する形態・意 匠へ誘導し、良好な山あての眺望を 形成する
眺望景観・景観軸・景観拠点②
■景観軸
6
−
5
「阿武隈川・谷津田川沿いの安らぎとうるおいのある水際景観の保全と形成」
阿武隈川沿いと谷津田川沿いには豊かな自然が残されており市 民の憩いの場となるよう、河川沿いの整備が進められてきました。
河川沿いの建築物に関しては、位置や壁面の意匠・色彩を誘導 し、河川の風景との調和を図ります。また、河川沿いの散策路の 緑化などを進めることにより、安らぎとうるおいのある水際景観 の形成を目指します。
谷津田川沿いの風景
景観軸の範囲図
■景観拠点
6
−
6
「小南湖周辺の歴史文化と自然風土を活かした地域景観の保全と形成」
・河川沿いに建つ建築物の高さ、壁面 意匠、色彩を自然景観と調和するよ うに誘導し、落ち着いた水際景観を 形成する
・橋や河川沿いの施設を自然景観と調 和するような統一的なデザインに誘 導し、良好な水際景観を形成する
・建築物を敷地に対して河川側に余裕 を持った配置とし、河川沿いをゆと りのある心地よい空間にする
■景観拠点
6
−
6
「小南湖周辺の歴史文化と自然風土を活かした地域景観の保全と形成」
小南湖周辺には豊かな自然が広がると同時に、歴代白河藩主の 菩提寺が置かれ、初代白河藩主・丹羽長重公廟や松平直矩・基知 父子の墓がある、歴史の感じられる場所です。
また、将来的には道路の拡幅により自動車の利用を伴う施設や 建物の立地が予想される場所でもあります。
店舗などの建築物が小南湖周辺の自然と調和するように、高さ や壁面意匠・色彩の誘導を行うとともに、沿道の整備も一体的に 行うことにより、小南湖周辺の豊かな自然と歴史を感じられる心 地よい街路景観の形成を目指します。
小南湖周辺の風景
景観拠点の範囲図
・建築物の素材は地域の自然素材また は伝統的素材を用いるよう努める
・樹姿または樹勢の優れた樹木がある 場合は、保存または移植によって修 景に活かすように努める
■景観拠点
6
−
7
「郭内地区に接する小峰城跡石垣と調和した住宅地の地域景観の保全と形成」
小峰城跡の郭内にはかつての石垣や土塁の名残である、緑豊か な斜面地が広がっています。斜面地は住宅や市指定文化財である 太鼓櫓等があり、貴重な自然景観を形成しています。また、斜面 地の上からは旧城下町を一望することができます。
小峰城跡石垣の歴史的景観を阻害する規模の建築物は避け、歴 史的な景観と調和した、魅力的な住宅地の街並み形成を目指しま す。
小峰城跡石垣周辺の風景
景観拠点の範囲図
■景観拠点
6
−
8
「戊辰戦争慰霊碑の歴史文化と周辺の緑が調和する地域景観の保全と形成」
・小峰城跡石垣の石積みの維持・保全 を行う
・建物の位置は周辺の自然景観に配慮 し、既存の地形の改変を最小限にと どめるよう努める
■景観拠点
6
−
8
「戊辰戦争慰霊碑の歴史文化と周辺の緑が調和する地域景観の保全と形成」
この景観拠点は戊辰戦争白河口の戦いの最大激戦地であった稲 荷山のふもとに位置し、この戦で亡くなった志士の慰霊碑等の史 跡が存在します。また、周囲には田園風景を始めとする緑の景観 が広がっています。
建築物に対して、高さや色彩の誘導を行い、周囲の自然景観と の調和を図るとともに、戊辰戦争史跡周辺の整備を進め、歴史的 景観拠点の形成を目指します。
戊辰戦争慰霊碑周辺の風景
景観拠点の範囲図
・戊辰戦争史跡周辺の整備や、分かり やすいサインの設置等、来訪者のア クセスに配慮した整備を行う ・建築物の高さ・色彩を周辺の緑と
